偕楽園の四季の「まつり」
弘道館と偕楽園の一張一弛という考え方が知られるようになって、偕楽園は「梅まつり」だけではなく通年に魅力があるということも幾らかは伝わっているかもしれない。
「梅まつり」の他に「萩まつり」あり、既に、七種のまつりもよいのではないかと書いた。
この際なので、春と秋の他の「まつり」も考えてみた。
「秋の七種のまつり」が有れば、「春の七種のまつり」もいかがか。
「春の七種」は新春なので、これを冬に括れるとすればである。それだけだとさみしいので探鳥会も付ける。冬は木の葉が落ちて鳥が見やすい。水戸は関東有数の那珂川と支流があり湖沼もあるから探鳥会には向いているのではないか。偕楽園周辺だけでなくあちこちに出かけたらよい。今のデジタルネットワーク技術なら地域を越えて映像を共有できるでしょう。偕楽園を造った徳川斉昭は軍事訓練として「追鳥狩」をした。探鳥会に『追鳥会』という独自名称を付ける。鳥は捕まえないが鳥を追って野原を歩くということである。これと「七草がゆ」を組み合わせたらどうだろう。『追鳥会』の時期が広がれば「けんちん汁」をセットにする。全国学校栄養士協議会のHPには各県の郷土食が紹介されている。茨城県は、煮合い、常陸太田けんちん汁、ぬっぺ汁の3つが挙げられている。
いずれも、茨城県の豊かな野菜の恵みを代表するものである。
給食や子ども達の調理活動の情報も付けられている。
冬に体を動かした後に食べる暖かい伝統食という設定である。
元石川町には、追鳥狩りの本陣で現在は神社になっている「千束原追鳥狩本陣跡」がある。
次に、夏の行事を考えてみる。
偕楽園は広く、杉林と竹林を歩くと涼やかである。観光地の竹林はよく涼やかさが宣伝となっている。
これを、偕楽園で考えるとしたら。
行事名から入ると「竹の里まつり」で、これは正岡子規が菊池謙二郎の実家を訪ねて来水したことによる。偕楽園の正岡子規の句碑は有名だが「水戸紀行」も広く知られるべきと思う。病を得て早世した和歌の改革者、子規の足どりを考えるとである。子規が来たのは5月なのだが、子規の号の一つは「竹の里人」であった。「馬酔木」に載った長塚節や伊藤左千夫が先生をしのんで書いた文章の題は「竹の里人」となっている。
長塚節は地主の跡継ぎだったが村人の収入の改善の為に竹林経営をはじめた。
偕楽園の夏のコースは、杉林と竹林と急崖の吐玉泉と、千波湖のボートもだろうか。
黄門像の下のイベントは地ビール祭もいい。
串焼き屋には何軒か必ず出店してもらって(竹串)。
水戸の特産品として現在売り出しているものに「水府提灯」がある。ワークショップもやっているそうだ。おそらく(!)この7月に市の中心地にできた水戸市民会館は、上に述べたデジタルネットワーク技術も合わせて役に立つのではないか。
竹を使う技術を創作に生かせば芸術館に繋がる。手持ち提灯を作るとしたら「観蛍会」はいかがか。七ツ洞公園には居るとのことだが、探鳥会と同じく、本来は水生動物が豊かな地域のはず。
水戸市が昨年、2022年に出した「水戸市都市計画マスタープラン(第2次)」
逆川と石川川の両方で「各川沿いには良好な樹林地が展開され,ホタル等の生息する良好な自然環境が残されています」
石川川のホタルにも期待したい。